デジタルパーマに関してのブログが溜まってきたので、一度デジタルパーマの施術についてまとめていきたいと思います。
・デジタルパーマが安定しない方
・スタイリストデビューしたての方
・デジタルパーマの精度をあげたいけどどうすれば・・・という方
・サロンでデジタルパーマ導入したての方
【1】毛髪の仕組み / 薬剤スペックを知る
これがパーマや縮毛矯正に置いてもっとも重要な項目が【1】です。
髪質に合わせた薬剤を選定できるようにすることがパーマや縮毛矯正の技術において何よりも大切です。
ここを間違えてしまうとこの後どんなに頑張っても失敗するという結果から逃れることが難しくなってしまいます。
逆にここさえしっかり調節できていれば、もうパーマ・縮毛矯正に失敗する原因はほとんどありません。
実際に何から始めたらいいの?
- 毛髪の仕組みを知る
- 使っているパーマ剤のスペックを知る
- 髪の毛・希望スタイルに合わせて薬剤を選ぶ、調合する
この順番でいきましょう。
①と③については下のブログでまとめてあります
関連記事»【独学でパーママイスター 】もうパーマで失敗しないロードマップ【初級者向け】
①の髪の毛の仕組みについては動画でも解説しているので合わせてご覧ください。
関連動画»【独学でパーママイスター①】パーマの還元剤を勉強する前に絶対に抑えておくべき毛髪科学!
②のサロンで使っている薬剤スペックを知るというのは、商材のパンプレットをみたり、会社のホームページを見たらだいたい書いてあります
電話で直接問い合わせるのもありです。
ページ下にスペック表が乗っています
最近だとスペックを開示しないメーカーさんもありますが、スペックを知らないでお客様に薬剤を使うなんて怖いので、そういうメーカーさんの薬剤は使わなくていいと思います。
最低限知って置きたい薬剤スペック
- 還元剤
- 還元値
- アルカリ度
毛髪を診断して有効な還元剤の種類を選べることで薬剤の強さを弱くすることができるので結果パーマダメージを最小限に抑えることができます
還元剤について詳しく知りたい方は
関連記事»【これだけ読めばいい】パーマ還元剤の種類/特性まとめ【2019】
薬剤を知ることでお客様に毎日のコテ巻きより絶対に傷まないと胸を張ることができます。
【2】軟化テストの基準を持つ
再三ツイッターやブログでもいっていますが、軟化テストで自分の基準を持つことが非常に大切です。
【1】で考えて使用した薬剤が、どのくらい効いているか判断できないとこの後のクリープ / ガラス化の温度とタイムを計算することができません。
ex)軟化テストのカール基準を7だと数字で仮定した2つのパターン
ex)軟化テスト5(−2)軟化が弱い
- 薬剤を足す
- ロッドを細くする
- クリープを長くする
- ガラス化を長くする
など4段階の調節が可能です。
ex)軟化テスト9(+2)軟化が強い
- ロッドを大きくする
- クリープを短くする / クリープ温度を下げる
- ガラス化を短くする / ガラス化温度を下げる
3段階の調節が可能です
軟化テストを行うだけで
- かからない失敗
- かかりすぎる失敗
は失敗の確率は爆下げし
デジタルパーマの成功率は爆上げします
これについてまとめたのが
関連記事»【美容師必読】デジタルパーマの成功率をあげる【たった1つの絶対基準】
まとめ
- 何度か施術を行って11mmでの軟化テストの基準を自分の中に作ろう
【3】クリープ / ガラス化のコントロール
目的
- クリープ → コルテックスの移動 / ダレづらくする
- ガラス化 → 熱によってタンパク質を硬化させてカールのキープ力をアップさせる
こんなところでしょうか?
クリープ
雑な言い方になってしまいますが、パーマのかかりが心配なのであればクリープはしっかり時間をおいた方がいいです。
温度が高いから効果がよくなるということでもなく、髪の毛の温度が60℃に届かないくらいの低温で時間をおくのがポイントです。
ウエット時で髪の毛に伝わる温度が60℃を超えてくると、クリープからガラス化に変換されてしまいます。
クリープの具体的な温度はMAX50℃までです
それ以下の温度で7〜12分くらいおけばちゃんとクリープできるはずです
クリープパーマに関して詳しくは
関連記事»【威力絶大】クリープパーマの「クリープ」とは??その偉大さを知ればパーマがかからない失敗を減らせる。
にまとめてありますのでクリープ反応の条件やメリットなど確認してみてください
ガラス化
ガラス化は上記に書きましたが、髪の毛のタンパク質を熱の力で硬化させてカールのキープ力をアップさせる
ガラス化をあまりよくないとする声もたまにありますが、メリット・デメリットを理解して必要に応じて使い分けることができればいいと思います。
ガラス化が始まる温度(ガラス転移点)は
- ウェット時:60℃ 〜
- ドライ時:90℃ 〜
から始まるとされるのでここをコントロールできるようにしていけるといいと思います。
ガラス化についてのまとめ記事が
関連記事»【意外と使える】パーマガラス化のまとめ【カールの持続】
【4】過酸化水素とブロム酸の使い分け
過酸化水素か、ブロム酸かの使い分けもできるとさらに高い質感の調整ができるようになると思います。
質感の差
- 過酸化水素 → 柔らかい質感
- ブロム酸 → ハリコシのある質感
ブロム酸は反応後に塩が残るので、それによって髪の毛にハリコシが出ます
過酸化水素は反応後水になるので、柔らかい質感になります
お客様が求める質感に対して使い分けるといいと思います。
過酸化水素の方がアルカリへの反応がいいとされているので、
僕は
- アルカリ度が高い1剤を使った場合 → 過酸化水素
- アルカリ度が低い1剤を使った場合 → ブロム酸
など使わけています。
過酸化水素とブロム酸に関しては、
関連記事»【パーマの2剤】ブロム酸と過酸化水素(オキシ)のまとめ【メリット・デメリット】
【5】あとがき
関連記事ばかりになってしまいましたが気になったところをかいつまんで読んでいけたらと思います。
デジタルパーマが超余裕に施術できるようになるだけでも、美容師としてのレベルも1UPするはずです。
薬剤の知識の考え方を頭に入れておくことで、これからフリーランスになる方や、違う美容室に転職する方も慣れない薬剤でデジタルパーマに翻弄することなくスムーズなスタートをきれると思います。
どんな環境にいっても薬剤スペックさえわかれば、一定の水準以上の結果を残せる技術力はこれからの美容業界を生き抜く中で必要ですね!
実際に上記の内容を落とし込んでサロンワークでデジタルパーマした内容をまとめたブログが
関連記事»極上デジタルパーマのロングスタイルを美容師向けにケミカル徹底解説【仕上げ動画有】
ご質問などあれば、ツイッターなどでも投げていただけたらと思います。