【デジタルパーマ動画解説】実際のサロンワークでの薬剤選定・施術工程【ケミカル目線】

デジタルパーマ動画解説ブログ

今回は実施のデジタルパーマの施術工程を記録しながらサロンワークさせてもらったので、実際の動画をみながら解説していきたいと思います。

今まで僕がブログで解説してきたことをサロンワークに落とした施術お見せできたらと思います。

先に仕上げをお見せしておきます。

 

今までのデジタルパーマのイメージと全然違う!

時代性の変化と薬剤の進化で今までのデジタルパーマよりずっと進化しているよ!

薬剤進化で少し勉強すればグーンとパーマクオリティをあげることができるから一緒に施術工程をみていこう。

 

【1】毛髪診断

4〜5年担当させていただいているお客様で、以前はグラデーションカラーやインナーカラーをしていて毛先に若干残っているか、いないかの微妙なライン

【特徴】

・太毛、剛毛

 

・健康毛

※青い丸がSー1、グレーの棒がSー2 イメージです

パーマをかけるのは毛先がメインになるので薬剤はSー2に主に有効なシステアミンをメインで使っていくことが多いですが

健康毛の場合は、普通パーマよりSー1の割合が多めだと考えられるのでシステアミンに対して

Sー1に有効とされるチオグリコール酸、システインの割合を増やします。

この図はそうやってみていけばいいんだ!

髪質にもよるけど、縮毛矯正は根元をメインでかけていくから逆の考え方でSー1に有効な還元剤多めで施術していくといいよ!

 

仕上がりのイメージ

・顎下から出るコテ巻きのような大きめ2回転カール

ということでデジタルパーマで施術していきます。

大きめのカールでしっかりカール感を出していきたいので、還元値は5以上は欲しいです。

中間くらいまではバージン毛です。

ダメージレベルは、

中間:D Lv1〜2

 

毛先:D Lv2〜3

ここでアルカリ値の予想ができます

トーンチャートアルカリ値

この表を参考にしていくと、

【中間】

毛髪診断:5〜6トーン

アルカリ値は4〜5くらい

 

【毛先】

毛髪診断:7〜9トーン

アルカリ値は2〜3くらい

が薬剤のスペックがあるといいとわかります。

ここまでで

・パーマの種類を決定

・使う還元剤を決める

・デザインに対しての還元値を決める。

・必要なアルカリ値を予想

【2】薬剤選定・1剤塗布

薬剤選定

毛髪診断が終わったら、上記の診断を元に薬剤を選ぶ・調合していきましょう。

上記を踏まえて薬剤を考えると

・システアミンベース、チオ、シスも欲しい

 

・還元値は5以上

 

・アルカリ値は中間5くらい、毛先は3くらい

くらいの薬剤を使えばジャストロッドでいけることが予想できます

 

MEMO

ロングの場合は、中間・毛先でのトーンの差、履歴の差は大きいです。せっかくデジタルパーマでやるのでデジタルパーマのメリットである薬剤の塗り分けは使った方がいいです。

 

今回は自分で施術した、グラデーションが毛先にほんのり残っていそうだったので、

【中間】

アルカリ値約1.2% 総還元約7%(シスアミ約5.5%チオ約1.5%) 

 

【毛先】

アルカリ値約0.3% 総還元約6% (シスアミ約5%シス約1%)

見た感じは大丈夫でしたが毛先のハイダメージの可能性は0%ではないので、アルカリは極限まで下げて還元値を上げる薬剤選定をしました。

紹介しているカラートーンに対してのアルカリ設定をかなり逸脱していますが、通常のパーマ剤をそのまま使う場合だと還元値のMAXが5以上の薬剤はほとんどありません。普通はその補充のためにアルカリを使うことが多いです。

注意

還元値が5で低アルカリの薬剤も少ないので還元値だけで選ぶのも気をつけましょう。

あくまでもイメージですが、アルカリ値と還元値を

アルカリ値 × 還元値(4以上) =6以上

からパーマはかかるように思います。

掛け算の考え方なら、アルカリ値がこんなに低くてもかかるのはわかる気がする・・・

・還元値 5以上

 

・アルカリ値は

 【中間】5くらい

 【毛先】3くらい

の予想から

【中間】

アルカリ値約1.2% 総還元約7%(シスアミ約5.5%チオ約1.5%) 

 

【毛先】

アルカリ値約0.3% 総還元約6% (シスアミ約5%シス約1%)

これでもいけるという感覚は大切です。

アルカリは低ければ低いほど髪の毛への負担は少ないことは間違いないのである程度パーマ薬剤のケミカルがわかってきたら、

薬剤の強さ(足し算)で攻めるのではなく薬剤を弱めいく(引き算)で攻めていけるといいと思います。

アルカリ値が低いと自然と仕上がりの質感はよくなるので、パーマの薬剤選定に慣れてきたらアルカリを下げることを意識していけるといいね!

 

1剤塗布

デジタルパーマは、ハンドドライでクルクルして乾かす場合の再現性は2回転がMAXだと思います。

それを頭にいれて、巻く予定のロッド選定の3回転分の高さから塗るようにすると仕上がりはちょうど2回転くらいのちょうどいい感じになります。

巻き上がりがこちら

ロングや細毛で仕上がりがダレやすそうな髪質の場合は、1剤の時点でプレでロッドオンしておきます。

 

ツイッターにアップしていたらこんなコメントいただきました。

確かに!なんでロッドを巻いてるの??

ありがとうございます。

応力緩和

還元するポイントが増える

という効果が見込めます

1剤の応力緩和

放置時間でまっすぐになろうとする力が弱まります。

還元するポイントが増える

実際に巻く予定のロッドよりmm数を下げて巻いて置くと、

巻ける回転数が違う分還元できるポイントが多くなると予想されるので、カールがダレづらくなります。

仕上がりがダレやすいお客様には巻いておくと施術中の安心感がでるよ!

11mmの軟化テスト

このブログでも何度かお伝えしている11mmの軟化テスト

自分の軟化基準を作ることで、

・ロッド選定

 

・クリープ

 

・ガラス化

を今まで経験してきたデジタルパーマと比べることができます。

これによってデジタルパーマの仕上がりを外してしまうことはほとんどなくなると思います。

参考記事»【美容師必読】デジタルパーマの成功率をあげる【たった1つの絶対基準】

軟化があまい場合は、1剤を追加塗布しましょう。

パーマを勉強中、挑戦中ならまずは

・軟化

・ロッド選定

・クリープ

・ガラス化

自分の基準を作ろう!

【3】ロッド選定・クリープ・ガラス化

ロッド選定

11mmの軟化テストを行い普段の自分の基準に対してどのくらい軟化されているかある程度の予想は立てて施術していきますが、基準より軟化があまい場合は予定ロッドより1段落とすこともできます。

今回はほんの少しあまめでしたが、予定ロッドから選定は変えずクリープの時間と温度で調節しました。

27〜22mmです。前髪30mm

クリープ

デジタルパーマのかかりはここでに左右されます。

イメージですがじっくりコトコトです

低い温度で髪の毛が乾かないようにしましょう。

キャップをつけておけば途中で乾いてしまうことはないので、オススメです。

今回は50度で8分です。

参考記事»【威力絶大】クリープパーマの「クリープ」とは??その偉大さを知ればパーマがかからない失敗を減らせる。

 

ガラス化

乾かすことが目的ですが、ここでの乾かし具合が仕上がりに大きく影響します。

今回は触った感じ8割くらい乾かしました

乾かさなければ乾かさないだけ質感は柔らかくなりますが、リッジは出にくくなります

最近は乾かしすぎないことがトレンドではありますが、ここはお客様のニーズに合わせて調節していきましょう。

ガラス化 80度8分です

参考記事»【意外と使える】パーマガラス化のまとめ【カールの持続】

かかる、かからないじゃなくてお客様のニーズに合わせて時間を決めるんだね!

求められているデザインや、お客様の普段のスタイリングのやり方に コミットして仕上がりをコントロールできるように目指していこう!

【4】2剤

ブロム酸濃度7%で15分放置です。

加水を使うにはアルカリが低いので、今回はブロム酸を使っています。

参考記事»【パーマの2剤】ブロム酸と過酸化水素(オキシ)のまとめ【メリット・デメリット】

 

【5】まとめ

仕上がり

いかがでしょうか?

今回は»【独学でパーママイスター 】もうパーマで失敗しないロードマップ【初級者向け】

実際のデジタルパーマのサロンワークに落とし込んだ内容です。

薬剤は慣れてきたら今回のように、弱いベクトルに攻めていけるとパーマに強くなれます。

いきなり全部は難しいけど次の施術から

・自分の基準を作る

・11mmで軟化テスト

はやってみたい!

できるところから少しずつクオリティアップに挑戦していこう!

パーマの質問などもツイッターで投げてもらえれば答えられる範囲でお答えできたらと思います!

 

 

 

 

 

 

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