このブログを初めて半年ほど、最近ありがたいことにコメントからご質問いただけるようになりました。
スパムコメントも大変多く全てに目を通せている訳ではありませんが、今のところできる限り返信していきたいと考えております。
初めまして。
物凄く参考になる記事、いつもありがたく読ませて頂いています。
2剤の件でわからないことがあります。よく、残留した過酸化水素をなくすために
カタラーゼという酵素を処理剤として使用するとありますが2剤が臭素酸ナトリウムの場合はこの処理剤は意味がありませんか?
2剤で過酸化水素ナトリウムを用いた施術の時のみ、過酸化水素を除去するカタラーゼ配合の処理剤を使用すればいいのでしょうか?臭素酸ナトリウムを使用した際の処理剤は
酸性処理剤(酢リンス)などが好ましいでしょうか。過酸化水素が残留する仕組みがイマイチわからず
ご相談してみました。
今回はパーマの2液、過酸化水素(オキシ)と臭素酸ナトリウム(ブロム酸)のあと処理についてご質問いただきましたので、僕なりに返信していきたいと思います。
【1】そもそもなんで2剤後の処理が必要なのか?
以前こちらのブログで
»【パーマの2剤】ブロム酸と過酸化水素(オキシ)のまとめ【メリット・デメリット】
過酸化水素(以降:オキシ)と臭素酸ナトリウム(以降:ブロム酸)についてメリットとデメリットについて書きました。
今回は簡単に
- オキシはアルカリに反応すると水になる(質感柔らかくなる)
- ブロム酸はアルカリに反応すると塩が残る(質感にハリコシがでる)
ブロム酸はアルカリに反応すると塩が残る(質感にハリコシがでる)
こんな感じの違いが出ます。
ブロム酸の場合は確実に塩が残ります。
オキシの場合は、アルカリに反応仕切れば全て水に変わります。しかし1剤のアルカリ度に対して、2剤のオキシの濃度が多くなってしまうと完全に反応仕切らず余分なオキシが髪に残留してしまうことになります。
ここで今回、ご質問いただいたカタラーゼの出番という訳です。
残留オキシをそのままにしておくとヒドロキシラジカルという活性酸素を発生させてしまうのでちゃんと除去しないと髪の毛ではダメージ、頭皮では薄毛や白髪の原因になります。
【2】カタラーゼとは?
カタラーゼとは、過酸化水素を不均化して酸素と水に反応を媒体してくれる酵素です。
オキシの分子量は2桁でカタラーゼの分子量は3桁だから除去できないという意見もあるようですが、実際に美容師さんが実験して効果がありそうなことを証明しているところをみたことがあります。
今のところはカタラーゼは残留オキシに対して有効だと思っていてよさそうです。
酸性処理(酢リンス)はpHに対しての後処理がメインなので、アルカリの施術をする場合はオキシでもブロム酸でも有効です。
【3】使うときのポイント
今回いただいた質問に対しての回答の部分になります。
過酸化水素に対してはカタラーゼは有効。
ブロム酸に対する残留塩に関してはまだあまり有効な商材は聞いたことはありませんが
はたらく電解水などがきくのではないかという説はあります。
どうしてブロム酸を使うけど残留塩を取り除きたいという場合は、試してみる価値はあると思います。
個人的にはブロム酸はヒドロキシラジカルが発生しないので絶対的に取り除く必要はそこまでないと思っています。
ブロム酸のメリットを活かしましょう!
【4】まとめ
- オキシに対して→カタラーゼ
- pH調整→酸性処理剤(アルカリ施術の場合)
ブロム酸に対しては酸性処理をおこなっておけば問題ありません