今回はパーマ理論についてより何よりもわかりやすくまとめたつもりです。
テキストが苦手な方のは、動画も用意していますので是非ご覧ください!
パーマ初級者の美容師さん、美容学生さんに向けてパーマの基本をわかりやすく解説していきます。
これさえ見れば次の施術から圧倒的にパーマの質は上がるはずです!
有料セミナー級のパーマ情報を無料公開しています。
読んで欲しい方
- 本気でパーマを勉強したい方
- 美容学生でパーマを知りたい方
- パーマを1から勉強し直したい方
- パーマが苦手な方
・パーマの教育には時間がかかる
・スタイリストデビューへの時短化
・パーマカリキュラムの排除
こんな時代なのでパーマ知識を得られる機会が非常に少なくなっています。
一緒に美容業界のパーマカテゴリを盛り上げていきましょう!
はじめに
現在は髪の毛のキューティクル付近でしか、反応していないという説もありますがほとんどのパーマ剤はこの理論に基づいて作られているので2020年1月現在では今のところこの理論を抑えておけばOKです。
今回の記事は9の項目で順番に解説していきます!
1.毛髪の仕組み
2.パーマ理論
3.パーマ剤の中身
4.還元剤
5.還元値
6.アルカリ値
7.アルカリ剤
8.pH
9.実際の落とし込み
1.毛髪の仕組み
髪の毛の結合は、4つに分類できます。
1.水素結合
2.イオン(塩)結合
3.シスチン結合
4.ペプチド結合
メインでシスチン結合にアプローチしていきます。
やり方によっては1、2へのアプローチも可能です。
ここまでは専門学校でもやりましたね。
2.パーマ理論
パーマ理論を考えていく上で考えていくのはシスチン結合です。
シスチン結合は還元剤(1剤)で切断され、酸化剤(2剤)で還元されます。
だいたいの美容室ではここまでしか教えてくれないと思います。
この先を勉強していくことでパーマの失敗をグッと減らせるようになってきます。
シスチン結合はさらに分けて2つに分けることができます。
それがシスチン結合1(Sー1)、シスチン結合(Sー2)です。
パーマを勉強する上ではここの項目が一番大事です。
右から左にかけて髪の毛を細分化していくイメージです。
パーマ剤に関して一番小さく髪の毛を見ていくと、
ミクロフィブリルとマトリクスというケラチンの単位まで考えられます。
この図をみるとミクロフィブリルとマトリクスが結合の結合を重ねてコルテックスが作られていることがわかります。
そしてこのミクロフィブリルとマトリクスを結合させるものがSー1、Sー2だと言われています。
・マトリクスとマトリクスを繋ぐものがSー1
・ミクロフィブリルとミクロフィブリルを繋ぐものがSー2
特徴
- マトリクスとマトリクスのつながりは柔らかく
- フィブリルとフィブリルのつながりは硬い
ということは?
- 髪の毛が柔らかい髪質の方はSー1が多く
- 髪の毛が硬い髪質の方はSー2が多い
と考えることができます。
ここまでがSー1、Sー2に関してです。
そしてSー1、S ー2をなぜ学んだかというとそれは4項目還元剤で解説します。
3.パーマ剤の中身(1剤/薬剤選定目線)
パーマの1剤を薬剤選定の目線でみると5つの側面があります。
1.還元剤
2.還元値
3.アルカリ値
4.アルカリ剤
5.pH
この5つを使いこなすことでサロンワークで圧倒的なパーマパフォーマンスを上げる結果に繋がります。
以下の項目で解説していきます。
4.還元剤
パーマ1剤の側面①還元剤とは、シスチン結合を切断する作用があります。
そして還元剤にも種類があります。
還元剤はこの7種類
1.チオグリコール酸
2.システイン
3.システアミン
4.チオグリセリン
5.サルファイト(亜硫酸ナトリウム)
6.GMT(モノチオグリコール酸グリセリン)
7.スピエラ
この時点で心が折れてしまう方もいるかもしれませんが、安心してください。
実際によく使うのは上の3つ
1.チオグリコール酸
2.システイン
3.システアミン
この初級者の方は3つだけ覚えておけば大丈夫です。
ここまででパーマ1剤には
・還元剤という概念
・還元剤には種類があるという
ことがわかったと思います。
そこへ2のパーマ理論で解説したSー1、Sー2を合わせて考えていきます。
還元剤の種類によってSー1へのアプローチに有効か、Sー2へのアプローチが有効かという特性があります。
1.チオグリコール酸 → Sー1
2.システイン → Sー1
3.システアミン → Sー2
これは絶対に覚えていた方がいいです。
柔らかい髪質
→Sー1多い
硬い髪質
→Sー2多い
という特徴を思い出すと、
正解!わかってきたね!
モリ
ここまでの段階でここまでわかるようになったと思います。
しかし上記の特徴は健康毛の場合です。
ダメージ具合によってSー1、Sー2の割合のバランスは変わってきます。
ここからはもう一つ踏み込んだ内容です。
髪の毛はダメージしてくるとSー1は減少してくる。
Sー2は髪の毛が最後まで残る性質があります。
基本的にパーマは中間から毛先にアプローチをかけていくのでパーマのかける時の還元剤はシステアミンをベースとして考えた方がいいとわかってきますよね?
※チオとシスが全く効かないわけではない
パーマを上手くなるには、パーマの1剤という感覚からシステアミン、チオ 、シスを使うという感覚に変えることが大切です。
今はわかりやすくするために還元剤単体での解説をしていきましたが、最近の薬剤は還元剤をミックスされていることも多いです。
今まで使っていたパーマ剤の還元剤が何かまだわからない方はすぐに調べてみてください!
5.還元値
パーマ1剤には還元値という側面もあります。
パーマのかかりの強さをアルカリの高さだと思っている方は多いと思いますが、パーマのかかりの強さは還元値の高さです。
還元値とは先ほどの還元剤がどれくらいの濃度で入っているかということで濃度が高いほど還元値は高まります。
僕のおすすめは還元値4〜6以上の薬剤です
還元値に対してのパーマのかかり具合はこんな感じで、
還元値5=50%
還元値4=40%
還元値3=30%
のように考えてOKです。
6.アルカリ度
アルカリ度も非常に大切な項目です。
アルカリ度の主な目的は還元剤をコルテックスに届けるためにキューティクルを浮かせることが目的です。
ではどのようにアルカリ度を考えたらいいのか、
カラートーンで必要アルカリ度を見極めるのがわかりやすくて有効です。
カラートーンが上がりダメージしてくると
・キューティクルが浮いている
・キューティクルがない
と考えられるのでアルカリ度はあまり必要なくなってきます。
7.アルカリ剤
アルカリ度があるということはアルカリ剤もあります。
アルカリ剤の種類は
1.モノエタノールアミン(不揮発性)
2.アンモニア(揮発性)
3.アルギニン(揮発性)
4.重炭酸系(不揮発性)
だいたいこの4つです。
アルカリ剤の違いは1剤放置のタイムに関係してきます。
モノエタノール以外のアルカリ剤を使っている場合、15分以降どんなに時間をおいても1剤の効果は弱まってしまう。
この図を見るとだいたい10分くらいがどの薬剤でもピークが近いので、10分くらいでテストカールをして今後のクリープの時間などを決めていけばいいと思います。
髪の毛には、揮発性のアルカリ剤の方が優しいです。
アルカリ剤のコントロールは難しいので、使っているパーマ剤のアルカリ剤が何を使っているのかに対して放置タイムを考えられるようにしておくといいと思います。
8.pH
最後の項目です。
ここのpHコントロールは、薬剤をミックスする時などに考えなくてはならないポイント。
pHみなさん理科の実験でやったと思います。
酸性とかアルカリ性とか測るやつです。
1〜14の数字があり
1 酸性
2
3
4
5
6
7 中性
8
9
10
11
12
13
14 アルカリ性
覚えていますか?
ここでまた還元剤に戻りますが、還元剤には得意なpHの領域があります。
パーマ剤は基本的に使っている還元剤に合わせてpHを調整していますが、もし自分でミックスするならpHも少し気にした方がいいと思います。
得意なpH領域でない場合は、思っている還元パワーが出せないこともあります。
9.実践で考えてみる
このくらいの画像の方にこのパーマをする時はどうする?
毛髪診断結果
- 太毛 / 硬毛
- 8トーン
希望スタイル
希望スタイル
- 23mmでW効率(ウェーブ効率)50%くらい
今まで勉強してきた考え方で、パーマ1剤を施術前に逆算しよう!
モリ
1剤はミックスしないで施術するからpHは気にしなくても良さそう。
モリ
まとめ
ここまでがパーマ理論の初級編です。
今回のパーマ理論のコアは2つ
- 毛髪の仕組みを知る
- パーマ1剤の仕組みを知る
この2つです。
パーマの失敗が多い原因は、美容師が毛髪の仕組みを知らずパーマ1剤の仕組みを知らないからです。
強い・弱い・普通の3種類の1剤でパーマをかける時代はとっくに終わっています。
改めてこの記事の内容だけでも理解しておくとパーマ、縮毛矯正の可能性は抜群に上がると思うので無料ですのでぜひ活用していただければと思います。