今回は改めてパーマの還元剤について深掘りしていく記事を書いていこうと思います。
パーマ、縮毛矯正での失敗を減らす、技術向上には還元剤の知識は必要不可欠です。
もっともメジャーな4つの還元剤(アルカリ領域)
・チオグリコール酸
・システイン
・システアミン
・チオグリセリン
の特性をケミカル初級者の方に向けてサロンワークベースでわかりやすく解説していきます。
この記事を読んだあとに
- 還元剤の使い分け方がわかる
- 髪質に合わせた還元剤の薬剤選定ができるようになる
【1】この記事を読む前に
還元剤の特性に入る前に最低限度基礎知識がある方に向けて書いていきますのでこの記事が初見の方は、
»【独学でパーママイスター 】もうパーマで失敗しないロードマップ【初級者向け】
または
ご覧いただいてから読んでいただけるとわかりやすいと思います。
実際に僕がサロンワークで施術していての実体験による個人的解釈もありますのでご了承ください。
【2】チオグリコール酸の特性
Sー1内部還元が得意
パーマでの強み
- リッジを深く出したい
- ドライ時にもリッジが出やすい
- バージン毛、健康毛へのアプローチに向いている
縮毛矯正での強み
- 波状毛に有効
- バージン毛、健康毛に有効
- ウェット時とドライ時のギャップが少ない髪質に有効
チオが向いていない場合
- エイジング毛、細毛
- ダメージ毛
- ダレたカールが欲しい時
【3】システインの特性
Sー1外部還元が得意
パーマでの強み
- 柔らかい質感
- 弾力が出る
- 細毛、エイジング毛アプローチに向いている
縮毛矯正での強み
- 捻転毛に有効
- エイジング毛、細毛に有効
- ウェット時とドライ時のギャップが少ない髪質に有効
シスが向いていない場合
- 単種使い
- 太毛
【4】システアミンの特性
Sー2外部/内部還元が得意
パーマでの強み
- カールの安定感
- カール形成力が高い
- ドライ時ダレる
縮毛矯正での強み
- ストライクゾーンが広い
- ウェット時とドライ時のギャップが大きい髪質に有効
システアミンが向いていない場合
- 縮毛矯正の新生部が強い場合のメイン使い
【5】チオグリセリンの特性
Sー2内部還元が得意
パーマでの強み
- 質感がよくなる
- ダメージ毛へ有効
縮毛矯正での強み
- エイジング毛、細毛に有効
- 毛先の質感向上
- ウェット時とドライ時のギャップが大きい髪質に有効
チオグリが向いていない場合
- MAX2%なので形状を変えるパワーはほとんどない
- 健康毛
【6】まとめ
今回はアルカリ域で有効な王道還元剤4種類の特性についてパーマと縮毛矯正の側面からみていきました。
単種での特性ですが、もしサロンで使っているパーマ剤が単種の還元剤のものであれば、アルカリ度の兼ね合いもありますが上記のようなメリット、デメリットがパーマ剤にダイレクトの出ると思います。
これを知っているだけ、向いていない髪質に対しての還元剤の選定は減ってくるのではないでしょうか?必然的に失敗は避けられると思います。
スタートからミックスされている薬剤の場合は、狙っている髪質やパターンに対して上記の特性を踏まえて作っているはずなので足りない部分を補ったりする応用ができるとなおさら◎。
今一度サロンで使っているパーマ剤、縮毛矯正剤の還元剤の種類を見直してもいいかも面白いかもしれません。
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