今回はデジタルパーマの軟化テストについて徹底解説してしていきます。
パーマ塾コンテンツの中ではデジタルパーマの施術において、軟化テストは最重要項目として置いています。
僕の中でデジタルパーマの失敗の明暗を分けるのは軟化テストです(狙った薬剤選定ができている程)。
デジタルパーマの需要はあるのに対して、デジタルパーマが苦手な方が多い印象です。
それは仕上がりが最後まで読みにくいというというところが大きいのではないでしょうか?
そんなデジタルパーマの最高の大きな鍵「軟化テスト」についてケミカル初級者の方に向けて解説していきたいと思います。
【1】デジタルパーマの軟化テストの目的
デジタルパーマの軟化テストの目的は僕の中で大きく分けて2つ。
1.失敗を防ぐ
2.アンカー(基準)の設定
この2つです。
【2】デジタルパーマ軟化テストのやり方
目的の詳細を解説していく前のやり方をお見せしておきます。
【デジタルパーマを失敗しないための対策①】
軟化テストをおこなうこと。
そして軟化テストに自分の基準を持つこと。軟化テストはこんな感じに11mmをスパイラルで巻いて流す5分前にテスト。
軟化があまければ薬剤追加orクリープ長め、ロッド1段下げるなど対応可能になります。 pic.twitter.com/50lInIree5
— 森 正臣@超パーマ美容師 (@mori_cura) February 1, 2020
基本11mm(ショート9mm、ロング15mm)をスパイラルに中間巻きしていきます。
水洗の5分ほど前にアウトしてチェックします。
これがデジタルパーマの軟化テストです。
酸性でのデジタルパーマもこれで対応可能です。
【3】目的1:失敗を防ぐ
デジタルパーマの失敗は大きく分けると
- かからない
- かかりすぎる
この2つだと思います。
- かからない → 軟化不足
- かかりすぎる → 軟化が強すぎ(過軟化)
だとわかります。
デジタルパーマは基本的にはクリーム剤での施術になるのでコールドパーマのようなカールテストはできません。
なので軟化状態がわからない中ロッド選定、クリープ、ガラス化まではいらないといけません。
ここがデジタルパーマの怖いところ、難しいところです。
今回の軟化テストはコールドパーマにテストカール工程を自分で設置していくというものになります。
テスト用のロッドは何ミリでもいいですが大きいめのロッドだと軟化具合がわかりにくいので細めがオススメです。
軟化テストのカールの基準を持ち、
軟化不足か過軟化かOKか判断できるだけで失敗する確率が下がるのは誰にでもわかりますよね?
【4】目的2:アンカー(基準)の設定
ここまででデジタルパーマにおける軟化テストの重要性はご理解いただけたと思います。
そして軟化テストをアンカー(基準)にして、
-
- ロッド選定
- クリープタイム
を選定していきます。
・軟化がちょうどいい → いつものロッド選定
・軟化不足が心配 → 細めロッドを選定
・過軟化 → 大きいロッドを選定
こんな感じでクリープのタイムも軟化に合わせて選定します。
軟化テストをしないだけでここまでの部分が全て抜けてしまっている状態で施術することになります。とても怖いですよね。
卓越された経験とセンスがある方は、上記がなくてもいいのかもしれませんがケミカル初級者の方にとってはあまりにも危険すぎます。
【5】補足:ガラス化タイムの選定
これは僕の見解なので参考までに。
デジタルパーマのガラス化は、パーマのかかり具合にはそこまで影響していないと思っています。
ガラス化の影響の割合が大きいのは、
- 仕上がりの質感
- 固定力
だと考えています。
仕上がりの質感
ガラス化でしっかり乾かして2剤に入ると仕上がりは乾いている時に出やすくなり。
ガラス化が甘い状態(ウエットめ)で2剤に入ると仕上がりのカールはウェットでも出やすくなります。
固定力
しっかりガラス化をすることによってタンパク質が熱によって硬化されてカールの固定力が上がります。
持ちはよくなりますがこれによってパーマのかかりまでよくなることはないと思っています。
色々試してきましたが、かかっていないパーマの固定力をUPさせてもあまり意味がありませんでした。
ガラス化のタイムコントロールは軟化テストを基準にしていくよりパーマの質感とニーズに対して決めていくのが有効だと思っています。
【6】まとめ
パーマ塾的にはデジタルパーマでの軟化テストは必須。
軟化テストで髪の毛の施術途中段階でセンターピンを挿す。
そのセンターピンに対して方向を調整(薬剤追加、ロッド選定、クリープタイム)。
これをするだけでデジタルパーマで失敗する確率は圧倒的に軽減してくるはずです。
これを読んでケミカル初級者の方がまずやるべきことは、自分の基準を持つ(軟化テスト、ロッド選定、クリープタイム)ということです。
これは僕の経験に基づいた考え方なので絶対的ではありませんが、2年以上パーマ比率は45%越えの超パーマ美容師の実体験によるものなのである程度参考にはなるかと思います。
ぜひ参考にして、大切なお客様へのデジタルパーマで大成功を納めていただきたいです。