今回は縮毛矯正でpHの移行(酸性→アルカリ性)をやってみた体験を記事にまとめてみます。
先日YouTubeにはアップしましたが、その先についても触れていきたいと思います。
少しマニアックな内容になると思うので、興味のある方はご覧いただければと思います。
【1】pH移行縮毛矯正のメリット/デメリット
まずはなぜpH移行縮毛矯正をわざわざやる必要があるのか?
これがポイントになってくると思います。
中性域や酸性でpHコントロールしながら施術できればいいんじゃないの?
基本的には僕もこの意見です。
しかし、中性域だと還元剤の力を使い切れない。
酸性域だと細毛や過度のダメージ毛に施術は危険。(過収斂)
こんな感じで対応できない施術があります。
この2つが対応できないのが、細毛でダメージ毛、かつクセが強い場合、縮毛矯正がもっとも難しいパターンだと思います。
酸性領域の達人ならできるかもしれませんが、普通にサロンワークでやるならかなり難しいと思います。
そんなパターンの時に、酸性縮毛矯正で還元を促進させ、ある程度還元がいったところで微アルカリ剤でpHを中性域に戻してあげる。
そうすることで、強いクセを伸ばしながら、安定したpHに戻し過収斂を避けることができる。
これが僕が考えるpH移行縮毛矯正のメリットです。
デメリットは
・手間がかかる
・pH移行のダメージがよめない
ということです。
【2】施術工程と詳しい薬剤スペックとpH比較
施術工程は、通常縮毛矯正の流れで1剤塗布からドライ、アイロン、2剤という感じです。
pH移行していくのは、1剤塗布でやりました。
この動画をみてもらってから、このブログを読んだ方が入ってきやすいと思うのでまだご覧になっていない方はぜひご覧ください。
酸性還元剤 放置5分
微アルカリ還元剤塗布 放置10分
トータル15分放置
ビフォーはこんな感じです
顔まわりのポイント縮毛矯正で細毛、ブリーチ毛、クセはある程度ある(顔まわり)なかなか難しいケースだと思いますがpH移行縮毛矯正のメリットがぴったり一致するパターンだと思います。
酸性還元剤スペック
- GMT
- 還元値4〜5くらい
- pH5.5くらい
アルカリ還元剤スペック
- システアミン
- 還元値7
- pH7.7
今回は後日試験紙を使ってpHが本当に移行しているか検証してみました。
今回はGMT54%(TG換算30%)の薬剤をサイエンスアクアのモイスチャーに薄めて作りました。
モイスチャーを使った狙いは十分な油分補給、pHが中性で邪魔しない予想があったからです。
モイスチャー pH6.5くらい
モイスチャーGMT pH5.5くらい
130 pH7.7(下)
(上)GMTモイスチャー
(真ん中)GMTモイスチャー5分後→130
(下)130
これを実際の施術同様モイスチャーGMT塗布、5分後に130をかぶせてみました。
真ん中がかぶせた試験紙です。
pHは6.5くらいになってます。
ここでの気づきは塗布後は、中性まで戻ってきていると思っていましたが実は弱酸性で終わっていたということに気がつきました。
pH7くらいまで持っていけた方がより安定した施術ができたかなと反省しています。
結果としてはpHを1くらいは移行していたなということがわかりました。
仕上がりはこんな感じです(ハンドドライのみ)
クセは淘汰されました。
【3】まとめ
施術から一週間ほどたって計測していますが、髪の毛も安定していました。
毛先はコテ巻きしていますが、根元は良好です。
次回はGMT濃度10%に下げて、調節してみたいと思います。
GMT濃度が下がることで、中性に戻しやすくなると思うのでpH7くらいまでは戻してから酸化とかさせてみたいです。